January 16, 2023

「晝は夢、夜ぞ現」 ひるはゆめ、よぞうつつ

書は夢? あ、違う、晝だ。知らない漢字だわ〜と思いながら検索してみたら、これ史実の江戸川乱歩氏の言葉なんですね。

うつし世はゆめ よるの夢こそまこと(江戸川乱歩の名言) | 昭和ガイド

昼に起きている時に見ているのは夢で、夜の睡眠中に見ている夢の方が現実、という風な意味らしい。なるほどね〜。

文ストって大戦後の世界観ということで、ついリアルの戦後の昭和の日本みたいなイメージに引っ張られがちなのですが、確か架空の第三次世界大戦?の戦後っていう設定だから時代的にはそんな昔でもなくて一応現代だということを、舞台演出にプロジェクションマッピングが使われているのを見て再認識したりなどしました。

福沢さんが、ただ席に座っているだけの夏目先生っぽい紳士を見て「何者だ?」って警戒しているのは何故なんだろう? 何か只者ではない気配を察知した的な? ていうか私も夏目先生に見えたし他の人の感想でも夏目先生と認識している人が多かったけど、実際どうなの!?夏目先生なの!?わからん……。次回で判明するのかな。

そういうことではないのを承知で言わせてもらうけど、お芝居というのは、例えオチが分かっていても! 犯人が分かっていても! お金を払って観たいと思う人は普通にいるのだよ乱歩くん!! ほら乱歩くんだって味が分かっているお菓子でも何度も食べることあるでしょう?(そういうことじゃない)

しかし、自分が分かる簡単なことを周りの誰も分かってないような世界にいたら、確かに孤独だよね。 例えば自分が突然1+1も分からない大人しかいない世界に放り込まれたら怖いだろうし、そこで「1+1が分かるお前は異能力者という特別な存在で、お前以外の人間は幼子なのだ」とか言われたら、救われると思う。

福沢さんは乱歩の為に一芝居打つわけだけど、あの筋書きは観劇中にでも考えたのだろうか。 「ただ異能力者だというだけではダメだ、何かその力を発動したと思い込むスイッチの役割をする物が必要……何か……そうだ、先日押し付けられた売れ残りの眼鏡をそれっぽい設定にして……」とかぐるぐる脳内でプロット立てていたのかと思うと可愛い。

乱歩少年が眼鏡を掛けたタイミングでまた福沢さんが覇気みたいなの発するんだけどほんとあれ何なんです!? 覇気でいいの!?

ロビーで二人が会話するシーンってあまり動きがないんだけど、代わりにソファに座った乱歩少年から見て右手側からの視点と左手側からの視点が切り替わることで画面に変化を持たせてるの、上手いと思いました。

乱歩少年の世界が眼鏡のレンズ越しに色付く演出、素晴らしかった〜! あの色彩表現はそういうことだったのかと感動しました。なるほど、だから今まで福沢さんの回想(福沢さん視点)はフルカラーになっていたのですね。 フルカラーになってもそんなに彩度は高くないのに、モノクロに慣らされた目にはぱあっと鮮やかに映えました。 その後の乱歩少年の「愚かな幼子なら、守ってやらなくては!」が、ちゃんと両親に愛されて育ったのであろう100%光属性を感じられて、この辺、太宰との対比に思えて面白いな。

3期まででもあった気がするけど、Aパート終わったタイミングでOPが流れると「オーブニングとは」ってなるしむしろ長いアイキャッチかな、って感じだけどこういう演出好きですよ。

村上が血を噴き出して死ぬ演技、これが演技って分かってから改めて見ると全く受身を取らずにあの高さから床に叩きつけられる根性凄いな。めっちゃ痛いだろうに。 村上自身は大した罪を犯していないので出所したらまた役者として一から頑張って欲しい。 ところで村上の当初の予定としては観客にどうネタバラシするつもりだったのだろう?

顔出し警官どう見ても怪しいわ!(笑) 声がモブの声をしていないしモブの顔をしていない(笑)

ひょこっと顔を出して手をチョイチョイって、ウィンクって、江川女史、そんなキャラだった!? え? 登場時のおばさんと別人じゃない!? 覚醒した圧倒的光属性の乱歩少年に浄化されたのか!?

「さあ! 姿をあらわせ! 堕天せし者!!」 多分カッコいいシーンなんだけど、姿を現すのが村上なのでどうしても「堕天せ下野!」って聞こえてしまってごめん乱歩少年。

村上が姿を現す時に覆われていた布を翻すのが無駄にカッコよかったな。

看板倒して直す乱歩少年、動きが可愛い☺️

脚本家が殺されてる現場にも舞台で使われていた白い羽根が散らばっているのが気になる。

前回の感想で「コナン見てる錯覚に陥りそうになった」って書いたのですが、名探偵が「江戸川」で伊達眼鏡かけてるだけじゃなくて、一緒にいる「おじさん」の声が毛利小五郎だということに今更気が付きました。これは錯覚しても仕方なし……。


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